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コラム・西村千恵

2021.12.01

Vol.3. 野菜スープとベジブロス

いつの間にか日が暮れる時間が早まり、朝晩ひんやりとした季節になりました。

肌寒い日が増えてくると、寒い朝にはスープがあるとちょっぴり幸せな気分になりますよね。

ふうふうと冷ましながらいただくスープは空腹にじんわりと染み渡り、体の内側から元気がでてきます。

 

この時期旬のカボチャやサツマイモなどはポタージュにするとぽってりと甘いし、玉ねぎを炒めて煮込むだけのシンプルなものでもおいしい。

ほうれん草、きのこ、人参、かぶ….冷蔵庫に余っているどんな野菜でも適当に作れてしまうのもスープの良いところ。

余ったスープに冷やご飯を入れれば雑炊風に、茹でたショートパスタを入れてボリュームたっぷりにと、アレンジも幅広い。スープって無限の可能性を持っているなあと思うのです。

 

かぼちゃも種類によって味わいが違います

スープというと、固形スープの素やベーコンなどを入れがちかもしれませんが、ちょっと待った!

野菜だけでもコクが出るコツがあるのでぜひ試していただきたいなと思います。

コツといってもとても簡単。少し多めのオイルでじっくりと、よく炒めること。

私はオリーブオイルを使うことが多いですが、太白胡麻油や菜種油、米油などででももちろんOKです。

鍋に油を引き、刻んだ野菜を弱〜中火で焦げないようにじっくり炒めたら、野菜より少し多めに水を加えて煮込むだけ。塩で味付けするだけで野菜の味が引き出されたスープの出来上がりです。

もう一つ野菜のおいしさを引き出すためにおすすめなのが、ベジブロス。

ベジブロスとは野菜の皮やヘタ、根っこなどを煮込んで取った出汁のことです。

 

玉ねぎの皮やにんじんの皮などをブロスに

玉ねぎの皮やにんじんの皮などをブロスに

例えば

・大根、じゃがいも、玉ねぎなどの皮

・長ネギの根

・ピーマンや人参のヘタ

・キャベツや白菜の芯

・かぼちゃ、ビーマンのワタや種

 

こうした野菜の部分は、普段生ゴミに捨ててしまいがちだと思いますが、活用することができるのです。

作り方はとても簡単。

 

<ベジブロスの作り方>

1.野菜くずを鍋に入れる

2.水をひたひたに注ぐ(野菜くず両手いっぱいに対して1Lくらいの水)

3.中火にかけて、沸騰したら弱火にして20-30分ほど煮込む

4.ざるで濾す

 

玉ねぎの皮やにんじんの皮などをブロスに

このまま味見をしておいしい場合は塩を加えてそのまま飲むのも良いですし、色々な料理に使うとより旨味が出るのでおすすめです。

 

<ベジブロスの使い方>

・スープ(水の代わりにベジブロスを使う)

・お味噌汁(いつもの出汁の代わりにベジブロスを使う)

・カレー(野菜をベジブロスで煮込む)

・ピラフやリゾット(お米をベジブロスで炊く)

・鍋やしゃぶしゃぶ(ベジブロスに具材入れる)

 

つまりいつもの料理の際に、水で煮込むシーンでベジブロスを使うだけ。

スープならベジブロスにお好みの野菜などの具材を入れて煮立たせて、塩を入れて出来上がり。お好みでオリーブオイルを垂らしても。

塩でなく味噌を入れれば味噌汁に。ルーを加えればカレーに。

短時間の調理でぐっとおいしさが深まります。

 

ただしベジブロスに向かないものもありますので要注意。

柑橘類の皮、ローズマリーの枝、ゴーヤなど苦味の強いものはえぐみが強く出てしまいますのでおすすめしません。

実際に作ってみると思っているより苦いと感じることがあるかもしれません。もしそのまま飲むには苦いなと感じた場合でも、前述した料理に使えば苦味は気にならなくなりますので大丈夫。ベジブロスを作る際には、特定のものが多くなると苦味や独特の香りが出やすくなるので色々な野菜くずを使うと良いと思います。

 

秋冬野菜はスープにぴったり

このベジブロスは冷蔵保存で3-4日で使うようにしますが、タッパーなどに入れて冷凍すれば長期保存が可能です。忙しい時にはこれを鍋にポンと入れて温めて解凍し、冷蔵庫の中に余っている食材を煮込むだけで栄養たっぷりな食事を取れるという優秀さ。しかも調理中に出る野菜くずもまた冷凍し、ある程度の量になったらまたベジブロスを作るというサイクルを作ればいつもベジブロスをストックできるという嬉しいサイクルが生まれます。

 

野菜の皮やヘタまで出汁にすることで野菜全体をいただくことになり、さらに料理の腕をあげてくれるとは、使わない手はありません。

こうしたアイディアでこれからのスープ生活、ぜひ楽しんでくださいね!

 

季節の野菜を使った簡単レシピが集結

著書「畑から生まれた野菜のいちばんおいしいレシピ」には、野菜だけで作るスープのレシピも載っています。この本をテキストに、農家さんの野菜をご自宅にお届けしてびん詰めやアレンジレシピを作るオンラインの「びん詰めクラブ」も毎月開催中。単発参加もできますのでご興味があればチェックしてみてください。

http://www.farmcanning.com/binzumeclub

 

西村千恵 <ファームキャニング代表>

西村千恵/FARM CANNING代表
東京生まれ、逗子在住。高校時代のドイツ留学にて、ベジタリアン・元ヒッピーのシングルマザーだったホストファミリーの生き方に多大な影響を受ける。子育てを機に葉山へ移住、 FARM CANNING設立。生産者から規格外となり廃棄されてしまう運命だった”もったいない野菜”を直接仕入れ、”もっと畑を日常に” をコンセプトに瓶詰めやケータリングなどの事業を展開している。

著書に『野菜の時間』をまとめた『野菜まるごと 畑のびん詰め 季節のファームキャニング』(NHK出版)、『畑から生まれた野菜のいちばんおいしいレシピ』(家の光協会)。

FARM CANNING公式サイト(外部リンク) |

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