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イベントレポート

2020.11.16

『アッシュ・ペー・フランス』主宰イベント「rooms41」 エシカルエリアで今の世界を知る

 

最近耳にする「エシカル」という言葉。直訳すると「倫理的な」という意味を持ちますが、実際はどのように使われている言葉なのでしょうか。以前からBloomoiでもSDGsに関するイベントを開催したりと、読者の間で関心が高まっているエシカル活動。今回、より理解を深めるために『アッシュ・ペー・フランス』主宰のファッション&クリエイティブの合同展示会「rooms41」へ足を運び、エシカルディレクターである坂口真生さんにお話を伺いました。独自のセレクトでエシカルなアイテムを集め、特に注目されている「エシカルコンビニ」を中心に、イベントの全容をレポートします。

国内外のクリエイターたちのクリエイションに触れることができる「rooms41」

毎年2月と9月の2回開催されている「rooms」は今回で41回目を迎えます。クリエイターたちの世界観を部屋(room)に見立てて、その共同体であるイベントを「rooms」と名づけたのがはじまり。国内外のクリエイターたちが一同に集まり、ほかではあまり見られないような良質なクリエイションを楽しむことができます。イベントの中で注目したいのが、『アッシュ・ペー・フランス』エシカル事業部の坂口真生さんがディレクターをつとめるエシカルエリア内に展開していた「エシカルコンビニ」。今回は、坂口さんに「エシカルコンビニ」の特徴や活動についてお聞きしました。

私たちが生きていく中で、環境問題について考えることは不可欠

日々の生活の中で見過ごせなくなってきているのが、環境に関すること。今、世界の中でプラスチックごみ問題が注目されています。例えば、海に流出するプラスチックごみの量は世界中で年間800万トンと推計され、2050年には海洋中の魚の量を超えるとの試算もあります。そこでエシカル事業部では、環境省主催 “Plastics Smart” のプロジェクトメンバーに着任し、プラスチックごみとの上手な付き合い方を提案していこうと思っています。今回の「rooms41」でいうと、エシカルエリアの中心にウォーターサーバーを設置し、来場者のどなたにでもマイボトルにおいしい水が給水できるようにしました。自然由来のプラスチック代替商品を使うことも、プラスチックスマートのひとつ。私がディレクターをつとめた「エシカルコンビニ」にも、エコにつながるアイテムをたくさんセレクトしたので、ぜひ見ていただきたいです。

そもそもエシカルという言葉はどういった意味で使われるのか?

わかりやすくいうと、地球環境や社会貢献につながる“やさしい選択”という意味で使っています。“やさしい選択”をするという行為そのものだったり、価値観や概念みたいなもの。さらに説明すると、SDGs(国連が定めた国際的目標)には具体的に17の目標があります。たとえばオーガニックコットンを使う、フェアトレードを取り扱う、有機のものや無添加のものを選ぶなど、SDGsはとてもわかりやすく、具体的なんですけど、そういう具体的な目標を立てるとき、選択をするときの基盤になる気持ちや、概念のことをエシカルというんです。SDGsの選択をするために持つべき価値観、それがエシカル。ほかにも、サステナビリティやロハスなどいろんな言葉がありますけど、簡単にいうとエシカルというのはそういう価値観のベースになるものをいいます。

ものを選ぶときに気づきを与えてくれる「エシカルコンビニ」

エシカルコンビニ自体は2015年頃に「rooms」で考えついたことです。具体的にいうと「rooms33」のときに、“エシカルコンビニ”という名前でエシカルカフェを作ったら、すごく反響があったんです。それで少し寝かせていたんですけど、今年ポップアップショップのお誘いを受けたので、9月末に新宿ルミネ2で復活させました。これが一般的なお披露目、「エシカル コンビニエンスストア」のデビューだったんですが、このときもかなり反響がありました。おしゃれでエシカルなアイテムの販売やマイボトル用の給水サーバーの設置などで解決すべき問題と向き合うきっかけを与えてくれるようなエシカル活動を陳列する“エシカルコンビニ”は、おそらくネーミングがキャッチーで、内容的にもおもしろいセレクトだったから、業界の人はもちろん初めて見た人でも興味を持ってもらえたのかなと思います。ルミネで行ったポップアップのセレクトは、エシカル事業部の担当者である早坂がすべて選びました。ルミネの客層なので、女性目線で選んだのが功を奏したのだと思っています。「rooms41」では、セレクトは大きく変わっていないですが、空間の見せ方や什器にもこだわっています。台車を改造したオリジナルの什器を使うなど、そういうところにみなさんが可能性だったり新しさを感じてくれたんじゃないでしょうか。実際、どうやってブランドをセレクトするかというと…基準は僕基準です(笑)。たとえば有機認証のような認証制度があるかというと、特にルールはないですし。そうなると基準は、感性とクリエイティビリティ、となってきます。なんとも説明しがたいんですけど、「rooms」に関してはクリエイティブかどうかで選び、付け加えていうならば“エシカルコンビニ”は、人です。事業者の想いを重視しているので、なるべく会いに行ってどういう人か話してみたりしますね。

自分が興味のあるものから生活の中にエシカルを取り入れていく

今年は特にコンビニやお店で買い物袋が有料化になったりと、一般の人にもわかりやすい世の中の変化があったと思うのですが、興味のあるところから無理せず始めていくのがおすすめです。僕らは押し付けをあまりしたくなく、心地よく感じることが重要だと思っていますので、自分で取り入れやすいところから始めてみればいいと思っています。生活の中でいくらでも変えられる要素はあると思います。マイボトルも今いろんなものが出ているし、給水スポットも続々とできていて、本年度に環境大臣賞を受賞した無料給水アプリ「mymizu」もあっておもしろいと思います。いろんな人が自分なりのエシカルを始めているので、参考にしながら取り入れていくと楽しめるのではと思っています。

エシカルとは、“毎日の選択”。最近、お札を使うことも少なくなってきたと思いますが、お金を払うときは全部エシカル消費と思ってください。お金を払うときにその背景を考えてもらう。何に対して買い物をするか? と考えると、意識が変わってくると思うんですね。自分が何を選ぶかによって、世界が少しずつ変わっていく。だからすごくやりやすい、誰でも参加しやすいものだと思っています。

エシカル消費をすることで、社会は変わっていくと思う

ものを買うときにその背景を考えながら買い物をする、エシカル消費(=人や社会、環境のことを考えた消費活動)。たとえば世の中の母親たちがエシカル消費を行えば、おそらく一番影響を与えてくれると思います。なぜなら、家計を握っていることの多いお母さんたちが、そういう方向に向かってくれると、消費者が政治経済を変え、そして環境を変えるというところまでいくかもしれない。消費者が世の中を変えるというのが、エシカル消費の真髄です。食事、洋服、洗剤、子育てなど生活のなかのいろんなところで選べる選択肢があるので、やれることだらけだと思いますよ。あくまで無理はしないで、買うとき、選ぶとき、食べるとき、寝るとき、本当にあらゆるシチュエーションでエシカルは訪れると思います。

可愛くておしゃれなアイテムを選ぶと気分も上がる

エシカルコンビニに並んでいるような可愛くておしゃれなものもたくさん出てきていて、いろんなプロジェクトが出始めているので選択肢は少しずつ広がっています。再生木材を使用したベジタブルスポンジや、有機ピーナッツを使ったピーナッツバターなどは本当におすすめです。使用感や味がわからないと思う人もいると思いますが、それは我々のようなセレクターのフィルターを通したものをまずは試してみるといいかもしれません。あまり堅苦しく考えず、気軽に楽しみながら取り入れてみてほしいです。

商品の詳細はTokyo compact lifeのサイトへ


少しとっつきにくい印象だったエシカル。でも、難しく考えすぎず、自分がものを買うとき、選ぶときにふと立ち止まって考えてみる。その背景にあるものを感じ取ってみる。そうすることで、社会や環境に貢献できる第一歩だと知ると、気軽に取り入れてみようと思えてきます。身近なところで、自分が興味のあることから。明日からエシカル消費を始めてみましょう。Bloomoiではこれからもエシカルに関する情報を発信し続けていく予定ですので、ぜひチェックしてみてください。

坂口真生さん
エシカルディレクター。高校でアメリカへ渡り、大学卒業後ニューヨークにて、ファッションや音楽業界に携る。2003年日本へ帰国し『アッシュ・ペー・フランス』に入社。2013年、『アッシュ・ペー・フランス』が主宰する「rooms」で日本初となるエシカルをテーマとしたエリアを立ち上げる。2017年、エシカル事業部を始動。2020年10月よりJ-WAVE “ETHICAL WAVE”ナビゲーターも務める。

Photo : Kousuke Matsuki / Text : Momoyo Yuge

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