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家族みんなが自分らしく。家事のチーム化を叶える住まいづくりプロセス編with HugMug

家族みんなが自分らしく。家事のチーム化を叶える住まいづくりプロセス編with HugMug

bloomoi(ブルーモワ)では子育て世帯を対象にした暮らしの新提案プロジェクト「家事のチーム化*1」がスタートしています。子育て世帯は、家事や育児に関わるタスクや役割を数多く抱えており、共働き家庭はより一層、限られた時間での対応を余儀なくされます。日本の共働き世帯は年々増え続け、現在では7割*2に達しています。2001年から2021年までの間に共働き世帯は約1.5倍に増えました。

そんな子育て世帯の負担を軽減する暮らしの新提案を実現するために、bloomoiでは現役子育てファミリー262名(未就学児〜小学生がいる世帯)を対象にアンケート調査*3を実施。さらに子育てファミリーのグループインタビューを行い、リアルな現状の把握やアイデアを生み出す対話を行いました。今回は、家事のチーム化を叶える住まいづくりのプロセスをご紹介します。

*1家事のチーム化とは
家事育児を家族みんなで協力し合うこと、ひとりに頼り切らない状態をつくること。家庭によって家事分担や家事のシェアのあり方はさまざま。家族みんなが自分らしくありながら、心地良くいられる暮らしを目指すこと。

*2男女共同参画白書(令和4年版)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-08.html

*3現役子育て世帯262名アンケート調査結果について
Voices:家族みんなが自分らしく。‘家事のチーム化’プロジェクト始動。男女の家事育児分担のリアルとは?

子育てファミリーのリアルを知る。仕事以外は家事育児のマルチタスクがほとんどの日々。

現役子育てファミリーは、どんな生活時間を過ごしているのでしょうか。まずはリアルな現状を知るために、数組の家族に協力いただき、平日のタイムスケジュールを教えてもらいました。例に挙げた2組の家族は夫婦共に働いており、子どもたちの年齢は幼児〜小学生。就業時間以外は、家事と育児のタスクでほとんど埋まっています。

表のオレンジ部分は「ピークタイム」と感じている時間帯で、短時間で多くのことを同時並行でこなしています。家に帰ってきてソファでゆっくり寛ぐ暇もなく、食事の準備をしながら、子どもの様子を確認しつつ、他の家事も進めるマルチタスクで、思考も体力もフル稼働です。

家事の分担は、働き方や家族に合ったスタイルを選択しており、家族にとっての“最適解”を模索している様子が分かります。子ども3人のファミリー(左図)はピークタイムを夫婦2人で協力して乗り切っていますし、夫婦の出勤の時間差があるファミリー(右図)は、朝担当と夕方担当という分担をしています。

また週末の過ごし方は、平日より緩まるものの、子どもの習い事対応や一緒に遊ぶ時間に加えて、食事の作り置きなど先取り家事、掃除や片付けをまとめて行うなど、家事時間を長めにとっています。夫婦のどちらかが週末勤務の場合は、ワンオペになる家庭もあるようです。

家事のチーム化を叶える住まいに求められるのは、mustが集中するピークタイムの負荷を減らしていくことだと考えます。次のステップでは家事総量や負荷、ストレスを減らす工夫や仕組みを考えるべく、子育てファミリーの男女にグループインタビューを実施しました。

逆転の発想で視点を広げて、家事のチーム化を叶える住まいの着想を得る

アンケート調査で、家事の分担割合が最も多かったのは男性2割:女性8割でした。現状の分担に対する満足度は全体8割が満足で、男女間で2割のギャップがありました。この差を縮めるためには、これまでの視点とは違う切り口でアイデアを生み出す必要があります。そこで男性グループと女性グループに異なる問いを立てる形式でグループインタビューを行いました。

男性グループには「あなたが家事育児の10割を担当する場合、どうやって暮らす?」という問いを設定。男性2割分担が一般的である背景から、思い切って10割を担った暮らしを想像することで、抜本的なアイデアや気づきを得ることが狙いです。一方で女性グループには「家事の主導権をパートナーに移す場合、どうするか?」という問いを設定。これまで家事の多くを引き受けてきた背景から、家事や育児の役割を固定化しないために必要なアイデアを出してもらいました。

男性グループは、食事・洗濯・掃除と家事を分類してアイデアを出し合います。家電製品の利用、使いやすい家事動線、掃除がラクな空間・仕様、おそうじロボットの利用、食材宅配サービス、ミールキットの購入など、実際に使って良かったアイテムやサービスを含めてシェアしていきます。男性同士で家事スキルや自身の知見を話すことに肯定的で、たくさんのアイデアが出ました。一方で自分の働き方を変えないと限界がある、どんなに合理化しても必ず人手が要ることがある、といった気づきもありました。

女性グループは、家事や育児を担ってきた経験値から自分流のやり方を確立している方が多く、マイスタイルに合う「住まいの選択肢」があることを重要視しています。対話の中で、ストック品の場所など家族の中で自分しか把握していない状況に気づくことも。役割を固定化せず、誰でも家事をしやすい空間や収納について興味深い様子でした。また主導権をパートナーに移すイメージがしづらい方も。家事の分担を自然と引き受けてきて、これまでパートナーと分担を見直す提案を行わずに今に至っているようです。

それぞれのニーズやアイデアを統合して、次のステップでは家事のチーム化を叶える住まいづくりにおける3つのコンセプトを導き出していきます。

家事の“総量・手間・ストレス”を削減して、家事を誰でもできる仕組みへ

これまでの調査や対話から、住まいづくりにおける3つのコンセプトを設定しました。

①家事総量・手間を削減する工夫(家電フル活用対応・設備の導入)
②誰でも家事をしやすい仕組みづくり(家事動線・収納・わかりやすさ
③家族がごきげんに過ごす時間の創出(自分時間をつくる)

家事は、家族の生活がリズミカルに動くための滑車のようなもの。家族のひとりが滑車の役割を背負う状況や負荷が高すぎては、そもそもすこやかで心地よい暮らしは成り立ちません。コンセプトのひとつめに「家事総量を削減すること」を挙げました。家事ができる時間には限りがあり、しかもマルチタスクが常という中で、家事を構成するひとつひとつの作業を効率化・省力化できる住まいを目指していきます。また家事のチーム化の鍵となる「だれでも家事ができる仕組み」は、空間や動線、収納の工夫を検討。子どもの成長過程で、子どもが自分でできる工夫も加えていきたいと考えています。

家事のチーム化を叶える住まいづくりのプロジェクトチームでは、負担が高い家事を絞り、キッチン空間(食事づくり)、洗面空間(洗濯干し・片付けなど)、自動機能対応の住まい(掃除やひと手間家事)にフォーカス。各種のアイデアを反映したプロトタイプ案を作成し、社内外含めて細やかな意見のヒアリングを重ねて、住まいの空間や設備をブラッシュアップしていきます。次回は、家事のチーム化を叶える住まいづくりの完成編をご紹介します。

【アンケート調査】
家族みんなが自分らしく ‘家事のチーム化’プロジェクト始動
男女の家事育児分担のリアルとは?現役子育て世帯262名アンケート調査