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プロジェクトノート

2021.06.21

【フローレンスに聞く】親子の笑顔をさまたげる社会課題を解決し続けるために

認定NPO法人フローレンス×ブルーモワ対談インタビュー。ブルーモワは、住まいの「幸せ密度」を高める活動を通じて、一人ひとりが自分らしく笑顔で過ごす毎日を目指しています。今回は、子どもを育てる社会環境について掘り下げてみたいと考え、認定NPO法人フローレンスさんへお話を伺いました。日本の子育てにおける課題を解決する様々な事業をはじめ、社会制度・設計に対する具体的な提言など、大きな支持と影響力で発足から17年であらゆる社会課題を解決してきました。家族は社会の最小単位であり、笑顔で過ごす家族が増えるほど社会全体が豊かになります。「みんなで子どもたちを抱きしめる」そんなあたりまえを目指して、いま私たち一人ひとりにできることとは。


脱・孤育て。子どもをみんなで育て、抱きしめる社会へ

フローレンスさんは日本最大のNPO法人(2021年時点)で、2004年に法人設立し、病児保育事業から活動をスタートしました。現在では訪問型の病児保育、障害児保育、医療的ケアシッター、小規模保育、ひとり親家庭支援、赤ちゃん縁組、こども宅食と幅広い事業展開で着実に社会課題を解決しています。特に大きな社会問題となった都心部の待機児童問題では、空き物件を活用し、0〜2歳児を対象とした定員19名以内の小規模保育園(おうち保育園)を2010年に開始。この挑戦に注目が集まり、2012年「子ども・子育て支援法」の中で国の認可事業として制度化し、2019年には小規模認可保育所が全国に約4276園と飛躍的に増え、待機児童問題のひとつの解決策となりました。

当初から取り組まれている「病児保育事業」は、37.5度の壁(37.5度以上の発熱時は保育園では預かってもらえない)を解決するために始まったもの。自宅訪問型の病児保育は、現在会員数7000世帯を超え、預かり累計9万件(無事故)という実績で病児保育のパイオニアとして注目されています。また医療的ケア児の保育事業は、2014年施設型「障害児保育園ヘレン」と2015年訪問型「障害児訪問保育アニー」、2019年には「医療的ケアシッター ナンシー」をスタート。医療的ケア児とは、胃ろうやたんの吸引、人工呼吸器などの医療的ケアと共に生きる子どもたちで、全国で約2万人います。フローレンスは日本初の長時間保育を提供。保護者の就労支援やレスパイト(休息・ケア)、学習支援を行なっています。

コミュニティ創出事業であるグロースリンクかちどき(外部リンク)は、東京建物とフローレンスさんが初めて出会ったプロジェクトです。グロースリンクかちどきは、東京都中央区にある子育て支援施設です。地域の子どもたちが利用できる 「プレイホール」、中央区初の「認定こども園」や 「小児科・病後児保育室」、難病の子どもと家族のための滞在施設「ファミリーハウス」などがあります。フローレンスさんは当施設の子育て支援関連の一部を運営を担当しています。孤育ては、特に都心部で起きてしまう課題で、産後うつなどの孤独な子育て環境は親子の笑顔を奪います。それを解決するためには「地域コミュニティ」の存在が必要。フローレンスさんのビジョンが浸透した拠点で、現在は多くの方の交流地点となっています。

また当社との取り組み事例として、ブリリアのマンションを購入されたお客様や賃貸契約のお客様に対して、病児保育の優待サービスを実施しています。少しでも子育て世代の負担や不安を軽減し、適切な子育てのサポートを受けられると暮らし全般の安心へつながります。そんな機会を多くの方へ提供できることで、孤独な子育ての課題を解決しています。


課題解決にむけて、まずは自分たちができることをやっていく

フローレンスで働く岩井さんと八木さん。働きながら子育てをする中で、実際にいろんな課題に直面することも。八木さんはご自身が待機児童の壁にぶつかりました。働きたいのに、子どもを預けられない不安。経験して新たに気づく課題がありました。また特に昨今のコロナ禍で起きている貧困問題、ひとり親家族の支援やソーシャルアクションの取り組みについて岩井さんに教えていただきました。

岩井さん:昨年(2020年)の春頃、コロナ禍で学校や保育園が一斉休校・一斉休園となりました。子どもたちの居場所のこと、仕事のこと、経済的不安など多くの子育て世代が困っていると考え、フローレンスではすぐにアンケートを実施し、約1万人ほどの声を集め、支援ニーズが高い「医療的ケア児家庭」「経済困窮家庭」「ひとり親家庭」へのサポートを決めました。それが<#すべての親子を置き去りにしない新型コロナこども緊急支援プロジェクト>です。本当に必要としている支援をヒアリングし、マスクや医療物資の無料提供、こども宅食の緊急支援を行う団体への助成、ひとり親世帯へ無料保育サービス提供や生活物資の支援をスピーディーに行いました。

フローレンスだけでは限りがあるため、全国にある支援団体と連携して、それぞれの得意分野を活かし、トータルで支援が行き届くことを目指しました。私たちは、私たちにしかできないことをやっていくことが課題解決へつながると考えています。サッカー選手の長友さんが発起人の<ひとり親支援プロジェクト>のクラウドファンディングでの支援も大きな反響をいただきました。長友さんご自身がひとり親世帯で育ち、その当事者意識から生まれたプロジェクトは、約5000万円の寄付が集まりました。


失敗を恐れずスモールステップを重ねて事業化する風土

岩井さん:そもそもフローレンスには明確なビジョンとミッションがあって、それに共感した人材が集まっています。社会変革のイノベーター集団として「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」をあたりまえにするために挑戦することがビジョンです。誰も置き去りにしないという目線で、いろんな立場の親子を見つめています。同じ時代を生きる子育ての当事者として共感の姿勢で、解決を提案していきます。スタッフひとりひとりとできるだけ対話を重ね、自分たちの働き方から事業の小さな芽に関することまで、一緒に考えて主体的な姿勢を保ちます。小さなアイデアをいきなり事業化するというよりは、まずはやってみよう!とスモールスタートで、スピーディーにアクションを起こすカルチャーがあります。

一斉休校の際のアンケートもそうですが、「当事者へリアルな声を聞いてみよう、まずはやってみよう」というスタンスが風土としてあるからこそ、様々な事業が生まれてきました。同じ時代にいて、いろんな立場や環境で懸命に子育てをしている仲間たちがいる。他者が置かれている立場や環境に関心を寄せ、まずは知ることが理解の第一ステップです。どんなことに困っているか、どんなことがあればもっと笑顔で子育てができるのか。そんな視点を一人ひとりが持つことで、誰も置き去りにせず、みんなで子どもたちを抱きしめる社会になると思います。


私たちが今からできることは何か

まずは知ることから始まる。まさにその通りで、隣の人のこと、地域に暮らす人のことなど、共感力と想像力をフルに活かして、他者を理解していくことの必要性を実感しました。物理的な距離を保って、人と人がコミュニケーションをする今、心理的なつながりや助けあいのベースになるのは、お互いを理解しようとする関係性です。そんな関係性が広がる社会は、誰にとっても豊かであるはず。フローレンスさんのお話を聞いて、ブルーモワメンバーはどう感じたのでしょうか。

ブルーモワ稲富さん:幅広く展開されている事業の一つ一つの社会における重要性はもとより、今回の対談では、多角的な視点での社会課題発見や解決(事業展開)までのスピード感を、企業のブレないビジョンと風土が下支えしていることに興味を持ちました。だからこそ社員一人一人が自由に発想し、そして真剣に社会課題と向き合える。ブルーモワもそんなプロジェクトに成長していけたらと思います。

ブルーモワ野口さん:十数年前に「グロースリンクかちどき」でフローレンスさんとご一緒させていただきましたが、その頃から現在に至るまで常に新しい課題に果敢に取り組まれています。世の中に顕在化している課題のみならず、細やかな課題まで丁寧に向き合っている姿に共感しました。私自身子育てをする中で、解決策を見つけづらい悩み・不安がある中でフローレンスさんのように受け止めてくださる場所があることは多くの親子にとって救われることですし、ブルーモワも暮らしにおいてそのような役割を目指したいとお話を聞いて感じました。

ブルーモワ森坂さん:「いろんな家族を笑顔にする社会」を目指して難しい社会問題へアプローチされている部分に改めて感銘を受けました。また、フローレンスさんのビジョンの共有や対話、まず行動に移す組織内風土を参考に日頃の仕事のやり方、進め方について改めて見直していきたいと思いました。

多くの示唆に富んだお話を聞くことができました。フローレンス岩井さん、八木さん、本当にありがとうございました。

●認定NPO法人フローレンス 「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」を実現するというビジョンのもと、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する団体です。2004年に団体設立をしてから、病児保育、小規模保育および認可保育園運営、重症心身障害児を含む医療的ケア児への障害児保育、妊娠相談及び特別養子縁組や、生活が厳しいご家庭に定期的に食品等を届け、見守り支援を行う「こども宅食」など、多様なモデルで日本の親子に伴走。 みんなで社会変革事業部  岩井純一さん、八木彩香さん フローレンスのwebサイトはこちら(外部リンク)

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