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マンションの共用部に求めるものは?住民間の交流は必要?
1408人のアンケート調査④(全5回)

bloomoi(ブルーモワ)は2023年11月、より良い商品開発に生かすために、活動に関するアンケート調査を実施しました。アンケートでは、bloomoiの認知度や住まいの不満点、コロナ前後での住宅ニーズの変化、サステナビリティへの関心度など、暮らしにまつわる幅広いテーマへの意見、要望を募りました。全5回に分けて調査結果をリポートする4回目は、マンションの共用部に求めるものや住民間の交流の必要性、入居後の管理に対する不満について掘り下げていきます。

共用部に最も求められているスペースは?

自宅(第一の場所)でも職場(第二の場所)でもない、自分にとって心地のよい場所を指すサード・プレイス。コロナ禍で働き方や生活が大きく変わったことで、その重要性はさらに高まったといわれています。マンション内における共用空間は、毎日の暮らしに溶け込んだ魅力的なサード・プレイスになり得る可能性を秘めています。マンションで暮らす人々は、共用部にどのようなスペースを求めているのでしょうか。結果を見ると、「フィットネススペース」(31.0%)、「ラウンジスペース」(30.6%)、「ゲストルーム」(29.9%)がトップ3。次いで「スタディスペース」(25.6%)、「ワーキングスペース」(22.9%)が続きました。前回調査と比較すると、ゲストルーム、パーティールーム、スタディスペースはスコアが下がっています。コロナ禍を経て自宅に人を招いたり、交流したりという場面が減っているのかもしれません。一方、フィットネススペースは、20代以下で54.5%、30代で43.1%と若年層を中心にニーズが高いことが分かりました。共用施設にフィットネススペースがあれば、わざわざジムに通う面倒も省け、天候の心配も無用。家事や在宅ワークの隙間時間にサッと運動できるのは魅力的です。また、その他の回答には、大浴場やサウナ、カフェといった声も寄せられました。こうした結果から、ジムで汗を流したり、ラウンジでくつろいだり、心身をリフレッシュできる場が求められていることがうかがえました。

マンションの共用部にあったらいいと思うもの マンションの共用部にあったらいいと思うもの

マンション内の住民間の交流は「必要ない」が最多

皆さんは同じマンションに住んでいる方々とどのくらい関わりを持たれていますか?続いてマンションの住民間の交流の必要性について尋ねたところ、「特に交流は必要ない」との回答が最も高く42.2%となり、2018年の前回調査と比較して、8.8pt増加しました。次いで「入居開始期間などに交流を持ち、まずは住民同士の顔がわかるような関係性を作れればよい」が38.4%、「積極的に交流を図りたい」は17.9%にとどまりました。コロナ禍で人との直接交流の機会が少なくなったことが、結果に影響を与えているのかもしれません。一方、子を持つ夫婦の層においては「積極的に交流を図りたい」が21.5%と、他の層に比べてやや高いことがうかがえます。同じように子育てをしている家族との交流は、子どもにとっても一緒に遊べる同世代の友達ができて楽しいもの。マンション内でつながりができれば、何気ない情報交換をしたり、困ったときに支え合うこともできるでしょう。また、その他の回答には「マンション固有のホームページを開設して、そこで情報共有や意見交換ができれば十分」「防犯や災害時のために、なんとなく住人かどうかがわかるよう、あいさつ程度の交流でよい」といった意見が寄せられました。災害や防犯面の観点からも、いざというときのために最低限の交流は持っておくとよいのかもしれません。

マンション住民間の交流について マンション住民間の交流について

ゴミ置き場のマナー違反や管理人不足に不満の声

入居後の管理の不満点について自由回答で尋ねると、「ごみ置き場のマナーが悪い」「粗大ゴミ出しの決まりが守れない方がいる」など、ゴミ捨ての問題について指摘する声が目立ちました。ゴミ出しのルールやマナーが浸透しなければ、悪臭や汚れなどの目に見える問題のほか、マンション全体のモラルの低下にもつながりかねません。bloomoiが長年継続している入居者へのヒアリングでも、ゴミ分別や衛生環境について常に声が上がっています。そうしたゴミ置き場のマイナスイメージを変えるため、bloomoiではピクトグラムなどを用いた「通いたくなるゴミ置き場"GOMMY”」を企画開発しました。こうしたゴミ置き場の導入も解決の糸口になるかもしれません。また、管理人の「勤務時間が短い」「高齢すぎて意思疎通が難しい」という声も多く寄せられました。特に都心部のマンションでは、管理人のなり手不足や高齢化が深刻化しています。管理人が不足してしまうと、マンション内の環境管理ができず、共用部分やゴミ捨て場の汚損が起きる可能性もあるでしょう。住民の皆さんが心地よい毎日を過ごすためにも、マンションの管理体制をどのように保っていくべきかは、今後も継続して考えていくべき大きなテーマとなりそうです。他には「エレベーターがなかなか来ない」「ポストへの立ち入りが自由なので不要なチラシが入ってしまう」「廊下に私物を置いているのを散見する」といった声も寄せられました。こうした皆さんの意見や要望は、今後の管理のあり方に生かしていきたいと思います。

心地よく過ごせる共用空間を生み出すために

今回は、マンションの共用部に求めるものや住民間交流の必要性、入居後の管理への不満点について、アンケート結果を掘り下げてリポートしました。フィットネス、ラウンジスペースなど住民共用の空間を充実させることで、わざわざ出かけなくてもすぐ近くにサード・プレイスをつくることができそうです。一方、共用部を居心地のよい空間として保つには、住民間のルールの共有や管理者による見回り、清掃などが不可欠です。皆さんが自宅以外でも気持ちよく過ごせるよう、共用部の充実や管理のあり方を考えていきます。また、住民間の交流については、コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが浸透したように、住民共通のホームページやSNSを活用するのも一つの手かもしれません。また、交流を求めている子育て世帯の入居者にむけては、マンション内でのつながりを深められるような、わたしたちのアイデアをお届けしたいと考えています。