家族みんなが自分らしく ‘家事のチーム化’プロジェクト始動
男女の家事育児分担のリアルとは?現役子育て世帯262名アンケート調査
bloomoi(ブルーモワ)では子育て世帯を対象にした暮らしの新提案プロジェクト「家事のチーム化*1」がスタートしています。子育て世帯は、家事や育児に関わるタスクや役割を数多く抱えており、共働き家庭はより一層、限られた時間での対応を余儀なくされます。日本の共働き世帯は年々増え続け、現在では7割*2に達しています。2001年から2021年までの間に共働き世帯は約1.5倍に増えました。
そんな子育て世帯の負担を軽減する暮らしの新提案を実現するために、bloomoiでは現役子育てファミリー262名(未就学児〜小学生がいる世帯)を対象にアンケート調査を実施しました。また当事者のリアルな声を聴くためのグループインタビューやweeklyスケジュール調査など、様々な視点で子育て世帯のニーズを掘り下げていきます。今回は男女の家事・育児の分担比率やその満足度、家事や子育てへのサポート状況など、アンケート調査から一部をピックアップしてご紹介します。
*1 家事のチーム化とは
家事育児を家族みんなで協力し合うこと、ひとりに頼り切らない状態をつくること。家庭によって家事分担や家事のシェアのあり方はさまざま。家族みんなが自分らしくありながら、心地良くいられる暮らしを目指すこと。
*2 男女共同参画白書(令和4年版)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-08.html
家事・育児ともに男性2割:女性8割の分担が最も多い。“子どもと遊ぶ”は男女半々が6割。
まず子育て世帯の夫婦における家事の分担割合について尋ねたところ、最も回答が多かったのが「男性2割:女性8割」です。全体の25.3%を占めており、次いで「男性1割:女性9割」が21.8%、「男性3割:女性7割」が17.9%です。女性が家事の7〜9割を担当しているのが全体の65%という現状が浮かび上がりました。シーン別で尋ねると、夕食づくりは「女性メイン」が86%、食器洗いは「男女半々」が40%、洗濯物をたたんでしまうは「女性メイン」が55%です。
次に育児の分担割合について尋ねたところ、最も回答が多かったのが家事分担と同様の「男性2割:女性8割」で全体の27.2%を占めています。次いで「男性3割:女性7割」が26.1%、「男性4割:女性6割」が15.2%です。家事分担と比較すると、育児の方が男性の関わりが多いことが分かります。シーン別で尋ねると、子どもと遊ぶは「男女半々」が66%、「男性メイン」が15%、子どもに食事を食べさせるは「女性メイン」が54%、子どもをお風呂に入れるは「男女半々」が42%です。子どもの身の回りや生活面は女性メインが多く、子どもと遊ぶなどの関わりは男性も女性と同等に分担しているようです。
今回調査にご協力頂いた方のうち、女性が働いている家庭は約75%です。「男性が家事や育児をする時間は女性の1/4、男性30〜40代は就業時間が長い」といった調査結果*も踏まえると、仕事以外の時間をほぼ家庭内のタスクに使っている状況も容易に想像されます。家事育児分担が少ない=男性がもっとやるべき、という安易な見方ではなく、子育て世帯の夫婦はともに様々な役割を抱えながら、なんとか工夫して日々を過ごしていることが分かります。
*男女共同参画白書:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)をめぐる状況
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/honpen/b1_s03_01.html
親族のサポートや人的サービス利用は少なく、家事労力を軽減する家電利用は多い。
家事育児へのサポート状況を3つの軸で尋ねてみたところ、親族などのサポートを日常的に受けている家庭は19%で、特別な時のみサポートを得ている家庭が44%です。サポートが無い家庭は37%で、約8割は日常的なサポートを得ていません。またベビーシッターや家事代行サービスなどの外部サービスの利用状況については、使っていない家庭が約9割です。人的なサポートをほぼ受けていない現状に対して、物的なサポートである食器洗浄器やお掃除ロボットなどの家電利用率は高いことが分かりました。家庭内の家事労力を減らす家電は、人的サービスよりも導入しやすい背景もあります。また、最近ではファミリー向けのイベント予約などを外注できるオンラインコンシェルジュサービス等も登場し、子育て世帯が様々な局面で、「手間を削減し時間を創出しよう」とするニーズが伺えます。
全体の8割が現状に満足。男女間で2割の満足度ギャップに注目。
さて気になるのが現状の満足度です。家事育児分担の割合に対する満足度を尋ねたところ、全体の8割が満足していることが分かりました。さらに男女別に満足度をみると、男性は84%、女性は62%という結果になりました。男女間で22%の差があることが分かります。
「家事や育児に関するストレスや困っていること」との問いに対しては、女性の回答は「情報共有やコミュニケーション不足」、「パートナーの家事や育児に対するリーダーシップ」などが挙がりました。男性の回答は「やるべきことが多く時間が足りないこと」や「子どもの体調不良などコントロールできないことが度々起きることへのストレス」などで、男女で傾向が異なります。不満の根っこにはニーズがあるもの。ニーズに寄り添い男女の満足度のギャップを埋めていくことが、家事のチーム化につながると考えています。
家事のチーム化の鍵は?家事育児の工夫や家族で大切にしたいこと
最後に家事・育児において「工夫や大切にしていること」を挙げてもらいました。風通しのいいコミュニケーションが生まれる関係性、タスクを固定化しない柔軟さ、自分を整える時間の確保(セルフケアへの意識)そして、家族への労いや感謝の表現などが寄せられました。家族をチームと考えれば、チームが最大限機能するために必要なことが見えてきます。
家事のチーム化プロジェクトでは、子育て世帯の「家事の総労力・ストレスを減らすこと」「役割の固定化を外すこと」「日常的なセルフケア・リトリート」を組み込んだ暮らしを提案していきます。
次回は子育て世帯の男性へのグループインタビューの内容をお届けします。
<調査データ>
調査概要:家事・育児分担に関するアンケート
調査対象者:子育てファミリー(東京建物で働くひと・HugMugフレンズ)
調査期間:2024年3月
有効回答数:262名(東京建物223名・HugMugフレンズ39名)
子どもの年齢:未就学児が半数以上
女性の就業率 約75%
調査主体:bloomoi/東京建物