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入居者と考えるコミュニティスペース
with KIGI(キギ)

入居者と考えるコミュニティスペースwith KIGI(キギ)

bloomoi(ブルーモワ)がリブランディングを経て、取り組んだ初めての共創プロジェクトをご紹介します。それは賃貸マンションの共用空間 “コミュニティサロン(集会室)”のリニューアルです。平成17年3月より入居がスタートしたBrillia ist 東雲キャナルコートは、全423戸の賃貸マンション。シングル〜ファミリーまでの幅広い世代が暮らしていますが、コミュニティサロンはあまり利用されていませんでした。入居者のみなさんに価値を感じてもらえるようなリニューアルを目指して、共創プロジェクトがスタート。リブランディングでbloomoiのクリエイティブを手掛けたKIGIをパートナーに迎えました。そして2023年春にコミュニティサロンは新しく“シノノメノマ”として生まれ変わりました。今回は、その共創のプロセスと完成した空間の様子をお届けします。

入居者の声から着想を得て、KIGIと共に空間デザインをつくる

始まりは2022年。東京建物が保有する建物であるBrillia ist 東雲キャナルコートのコミュニティサロン改修のトピックが立ち上がりました。作り手主導で改修する選択肢もありますが、実際に暮らしを営む入居者と共創していくことを選びました。まずは声を集めようと全世帯へのアンケートを実施し、その後実際にお会いして座談会形式で「本当に望んでいるニーズ」や「幸せと感じる日常のシーン」といった対話を重ねていきました。

Voice マンションの共用空間「集会室」について①(全2回)
Voice マンションの共用空間「集会室」について②(全2回)

コンセプトは“身近な非日常“、アートとサステナブルも表現した空間に

集めた声やニーズを起点にし、KIGIを始めとする共創チームを組んで、デザイン・環境配慮・メンテナンスなどの多面的な視点でディスカッションを重ねていきました。アイデアを拡散する中で、“身近な非日常”をコンセプトに据えることが合意され、インテリアやゾーニングを具体化していきました。ブックライブラリーやアートポスター、アップサイクルの家具や手触り感のある美しいインテリア。足を運びたくなる仕掛け(ブックライブラリーの定期的な入れ替え)や、その時の気分に合わせて選べるゾーン(個別ブースやソファ)、貸切利用の提案など。ひとりでも、みんなでも過ごしやすい空間“シノノメノマ”が完成しました。

イメージ写真 2 シノノメノマの全体像

イメージ写真 3 アップサイクルした大テーブルとチェア

イメージ写真 4 300冊のSDGsゴールの図書と毎月入れ替わる200冊の循環型ライブラリー

イメージ写真 5 美しい照明と長時間座っても疲れにくいチェアを配した個別ブース

イメージ写真 6 日本を代表するグラフィックデザイナーによるアートポスター

生まれ変わった“シノノメノマ”でウェルカムパーティーを開催

2023年3月下旬に完成した”シノノメノマ“へ入居者のみなさんをご招待して、ウェルカムパーティーを開催しました。今回のリニューアルでは、座談会を含め入居者のみなさんから多くの声を寄せていただきました。その声から生まれ変わった”シノノメノマ“の完成を、共に祝福し、喜びを分かち合うパーティーは「作り手と住まい手の思い」がつながる瞬間でもありました。パーティーに華を添えてくれたのが、カラフルで美しいサステナブルなケータリングです。農家さんから届く旬の野菜や規格外のもったいない野菜を使ったサステナブルな取り組みをされているFarm Canningチームが担当。心が満たされる食事を囲みながら、空間デザインを手掛けたKIGIの植原亮輔さんと渡邉良重さんからのビデオメッセージを添えて、bloomoiメンバーからこれまでの共創プロセスをご紹介しました。

イメージ写真 7 食べられる花を添えた春を感じるメニューが美しい

イメージ写真 8 作り手と住まい手がつながる時間

イメージ写真 9 大人も子どもも大テーブルを囲んで楽しい時間を過ごしました

シノノメノマでひとときを過ごし、どんな印象を持ったのかを入居者のみなさんへ聞いてみました。

「以前は会議室のようで場所の使い方のイメージがつかなかったのですが、リニューアルしたシノノメノマは、いろんな過ごし方が出来そうでワクワクします。リモートワークで来てもいいし、本を読んで息抜きしてもいいし。自分が住んでいるマンションに、こんな素敵なサードプレイスがあるのはとても贅沢だと感じています。」

「仕切りのない大きな空間ですが、ソファ席や個別ブース、大きなテーブル席がゾーニングされていて良いですね。座談会で色々な意見が出ていましたが、バランスよく表現されています。またブルーを基調にしたカラーリングやインテリアも、性別年齢問わず誰が来ても居心地が良い空間になっていて素敵です。」

bloomoiで大切にしている“多様さの尊重”や“未来につながる”が表現されたシノノメノマは、まさに自分らしさを大切にするためのサードプレイスです。日常の暮らしに寄り添う“身近な非日常“の存在がもたらす幸せを見つめながら、これからも新しい共創の在り方を模索していきたいと思います。

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KIGI
http://ki-gi.com
2012年に植原亮輔と渡邉良重により設立。
企業やブランド、製品などのアートディレクションのほか、琵琶湖周辺の職人たちとオリジナルブランド「KIKOF」を立ち上げ、プロダクトブランド「D-BROS」、ファッションブランド「CACUMA」などのデザインコンテンツを手掛ける。また、プライベートでも作品を制作し発表するなど、自在な発想と表現力であらゆるジャンルを横断しながら、クリエイションの新しいあり方を探し、活動している。
2015年、ギャラリー&オリジナルショップ「OUR FAVOURITE SHOP」をオープン。 2016年にヴァンジ彫刻庭園美術館にて「KIGI キギ in Crematis no Oka」を、2017年に宇都宮美術館にて大規模個展「KIGI WORK & FREE」、2022年に代官山ヒルサイドフォーラムにて「all is graphics」展を開催。2018年、越後妻有アートトリエンナーレ2018 大地の芸術祭<方丈記私記>に「スタンディング酒BAR・酔独楽」を出品。