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住まいの不満な場所は?コロナで住宅ニーズは変わった?
1408人のアンケート調査②(全5回)

東京建物のマンションブランドBrilliaから生まれた、住まいと暮らしの共創プロジェクト「bloomoi(ブルーモワ)」は2023年11月、今後のより良い商品企画につなげるために、活動に関するアンケート調査を行いました。アンケートでは、bloomoiの認知度や共感度、住まいやインテリアの不満点や、マンションの共用施設についてなど、住まいにまつわる幅広いテーマへの意見を募りました。そこで全5回に分けて、アンケート調査で分かったことを詳しくリポートします。2回目は、住まいの不満な場所やその理由、コロナ禍を経た住宅ニーズの変化についてお届けします。「ステイホーム」や「リモートワーク」という新たな言葉が生まれたように、私たちの暮らしや働き方に大きな変化をもたらしたコロナ禍を経て、住環境へのニーズはどのように変わったのでしょう。反対に、コロナ禍を経ても変わらずに求められているものとは何でしょうか。

住まいの不満な場所は「収納」「キッチン」が上位に

まず住まいにおける不満な場所について尋ねると、2018年の前回調査と変わらず、「収納」28.3%、「キッチン」26.9%、「リビング」26.1%、「お風呂」24.8%が上位に並びました。キッチン・収納に不満を抱える理由には「収納はもう少し広さがほしい」(男性、30代後半)、「キッチン収納が足りない」(男性、50代前半)など、収納スペースの手狭さを指摘する声のほか、「キッチンはこだわりが一番影響する場所だと思うが、コストを意識した画一的なものになりがち」(男性、40代前半)とキッチンの規格に対する意見も挙がりました。また、リビング・ダイニングについては「特殊な間取りのため、家具の配置が難しい」(男性、30代後半)、「リビング中央に柱があって気になっている」(男性、40代前半)といった構造的な問題や、「床が二重構造なのに騒音問題が多い」(女性、40代後半)といった不満も寄せられました。主寝室や洋室についても「クローゼットが小さく収納が少ない」(女性、40代後半)、「部屋が四角形の間取りでなく、角に柱があるため、ベッドの配置が難しい」(男性、30代後半)など、収納や間取りに関する意見が目立ちました。

不満な場所 不満な場所

トイレや洗面所…水回りに関する不満・要望も目立つ

水回りに関する不満や要望を聞いてみると、お風呂については「浴槽が大きいので水道代がかかる」(男性、60歳以上)、「換気がよくないのとお風呂場に段差がある」(女性、60歳以上)、「どのマンションを選んでも同じメーカーのお風呂になってしまい新しさがない」(男性、30代前半)といった声が挙がりました。住まいの中でもお風呂はリラックスに欠かせない場所ですが、さまざまなニーズに応えられていない現状がうかがえます。トイレについては「タンクレストイレにしたい」(男性、50代後半)、「強力な換気扇や脱臭機能があるといい」(男性、40代後半)といった要望が寄せられました。また、洗面台については「スライドドアでは無いので、開けた際に扉の裏に位置する棚へのアクセスが悪い」(男性、30代後半)、「スペースが狭く、洗面所の扉とお風呂の扉が干渉する」(男性、30代前半)など、ドアの取り付け位置を指摘する声が見られました。

コロナ禍を経て出社頻度が減少傾向に

アンケートでは、コロナ禍を経た暮らしや働き方の変化を探るため、コロナ前後の出社頻度について尋ねました。その結果、コロナ前の出社頻度は「週5日」が6割以上を占めた一方、現在はその割合が40.6%と20pt以上減少していることが分かりました。一方「週1~2日」「週3~4日」はそれぞれコロナ前と比較して10pt程度上昇しています。また、年代別で見ると、30代は「週5日」の割合がコロナ前は70.5%に対し、現在は42.3%と30pt近く減っています。調査結果からも分かるように、コロナ禍の約3年間を経て、場所や時間にとらわれないリモートワークという働き方が一定程度定着しているようです。

「在宅ワークの増加」が住宅ニーズの変化に影響

コロナ禍を経て「変わった」住宅へのニーズについて尋ねると、半数近く(46.1%)が「特にない」と回答したものの、「住環境」21.2%、「間取り数」18.6%、「部屋の広さ」17.9%がトップ3となりました。自身の暮らしにおいて、具体的にどのように求めるものが変わったのでしょうか。住環境については、「オフィススペースやリモートワークに適した設備が欲しくなった」(男性、40代前半)、「テレワーク部屋とダイニングが兼用なので、事前に考えておけばよかった (女性、40代後半)との声が寄せられました。また、部屋の広さや間取りに関しても「夫婦でリモートワーク機会が多いので広さがほしくなった」(女性、20代後半)、「ウェブ会議が夫と被った時にお互い気を遣ってしまう」(女性、40代前半)など、在宅ワークの増加によるニーズの変化が目立ちました。「家に仕事の道具を置くので収納が足りなくなった」(男性、30代後半)、「玄関の近くに手洗い場やコートなどを掛けるスペースが欲しくなった」(男性、50代前半)といった声からも、コロナ禍が住宅ニーズに大きな影響を与えていることがうかがえます。

コロナを経て変わった住宅へのニーズ コロナを経て変わった住宅へのニーズ

コロナ禍を経ても「変わらない」ニーズは?

一方、コロナ禍を経ても「変わらない」住宅へのニーズは、「住環境」29.0%が最多で、「部屋の広さ」22.6%、「洗面室・お風呂」20.7%、「リビング・ダイニング」19.2%、「収納」18.5%と続く結果となりました。住環境や部屋の広さについて、コロナ禍を経ても変わらない理由を問うと「常に変わらない快適さを求めているため」(男性、30代後半)、「住環境の希望は在宅時間が増えても減っても変わらないと思う」(女性、40代前半)といった声が寄せられました。また、リビング・ダイニングについても「家族団らんの場所なのでコロナに関係なく重要性が高い空間 」(男性、30代後半)など、コロナ禍を経ても変わらず、心地よい空間であることが求められているとうかがえます。「家を心地よく保つために収納スペースをうまく利用することは常に課題」(男性、40代後半)、「収納力はどちらにせよ多い方がよい」(男性、30代後半)という声から分かるように、収納スペースの充実度は、コロナ禍に関わらず重視されているようです。

コロナを経ても変わらない住宅へのニーズ コロナを経ても変わらない住宅へのニーズ

"対話の場”を通して新しい住まいの形を届ける

今回のアンケート調査を通じて、コロナ禍による在宅ワークの広がりにより、部屋の間取りや広さなど住宅ニーズに一定の変化が生まれていることが分かりました。一方、リビング・ダイニングの居心地のよさや、収納スペースの充実度は、コロナ禍に関わらず、ニーズが高いこともうかがえました。アンケートで寄せられた「在宅ワークで物が増えて収納が足りない」「玄関近くに手洗い場が欲しい」などのリアルな声を一つひとつ検討し、今後の商品開発に生かしていきたいと思います。